Health & Business Coaching

北米で頻繁に耳にする「 ホリスティック栄養学 (Holistic Nutrition)」という言葉。これを聞いてあなたは何を想像しますか? 「ベジタリアンへの道?」、「ローフードダイエット?」、「スピリチュアル系の栄養学?」など面白い答えをいただいた事がありますが、いかがでしょうか?

まず「ホリスティック」という言葉自体、曖昧な定義がありますよね。英語の “holistic” は「全体的な」と訳される事が多く、英語がネイティブの友人らに”holistic”の意味合いを聞いたところ “In Balance”(「バランスのとれた」)と言ったイメージが浮かぶと言います。また英辞郎で”holistic”を調べてみると、”holistic healing” が見つかり、 「人間の生活における心身および霊的な状況は緊密に連携しており、それらを治療に当たって等しく重要な取り組み方法と考える医療哲学の一種。」としています。

私が思う「ホリスティック栄養学」は、個人が生きていく中で関わる全環境を「体・心・精神面」の観点から理解し、食生活改善や運動、ストレスマネージメントなどを通して、well-being (健康的で幸せに生きる状態) へと導くことを目的としたものです。一言ですと、「予防医学」がしっくりくると思います。以下、少し簡単に説明しますね。

ホリスティック栄養学は急性の症状を治療するより、将来の病気予防や緩和に多く対応しています。簡単な例として、インフルエンザにかかれば病院へ行き、処方薬をもらって既存の症状に着目した治療方法をします。それに対して、ホリスティック栄養学はインフルエンザにかかる以前の健康状態に注目します。

「ボディ・マインド・スピリット」のバランス維持を食生活や日常生活の改善を通して行い、 病気への免疫力や医者にかかる必要の無いよう健康体を常に維持するための知識をクライアントに伝授するわけです。幼児から大人に関わらず全ての人間は「ボディ・マインド・スピリット」のバランスが崩れていると、 体調、 日常生活、パフォーマンスの何かしらに影響が出ると言われています。

最新の身近な例ではニキビで悩む30代後半の男性。同居中の彼女はベジタリアンで食生活は健康的なもの。運動と睡眠もしっかりできていたのに、ニキビはどんどん増え続ける一方でした。。結婚したいと思っていた彼女ですが、菜食主義者なので肉は隠れてしか食べられない生活に本人も気づかない程の強いストレスを感じていました。これはストレスがニキビとなって現れたケースと言えます。その後、彼女を含めて3人でとことん話し合った結果、彼は肉を自由に食べる事が出来る様になっただけでなく、菜食主義者の彼女が魚を少しずつ食べ始めて、事はトントン拍子に改善。 自分では解決不可能と決めつけている問題でもカウンセリングや必要対象相手と話す事で多くがポジティブになることも多いです。

「ボディ・マインド・スピリット」全ての状態を理解するのにはとても時間がかかるため、カウンセリングの時間は、通常の医者らの診断時と異なり、毎回1時間はいただきます。一人一人体の状態が違えば生活習慣も違います。生活環境も違えば精神状態も異なります。よって、各個人の心底にある問題(本人が認識・不認識にしろ)を掘り出すのはとても大変です。人間として全てを見る事、 食生活、運動 など 単品として切り離して見ては解決できない、人間としての全機能を見守る世界がホリスティック栄養学の魅力の1つと言っても良いかもしれません。